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03/23/10

前回、自分の「弱さ」でエントリーしたのでちょうど良い続き。今回は、”弱さを強さに変えて”というか、見立て方で生き方変える可能性ってなことについて考えてみようじゃないか、という提案。

金子郁容編集、宮垣元/佐々木裕一著の「シェアウェア」を読んだ。もう十年前の本だ。サブタイトルは「もうひとつの経済システム」であり、今は一般的になっているシェアウェアの黎明期に様々なソフトを作り出した若きエンジニアたちへのインタビューで構成されている。私が感銘受けたのは次の箇所。

(P165)このように、ボランタリーな行為はさまざまな賞賛と同時にさまざまな攻撃に身をさらす事にもなる。しかし、作者が自分を弱い立場におくからこそ、他のユーザーからの指摘や意見や要望が生まれると考えてみたらどうか。シェアウェアの作者がソフトを公開すれば、たくさんのユーザーから感謝の言葉をもらうかわりに、「こんなことはできますか」「こうしてほしい」「こんな不具合が出ました」というような意見への対応を迫られる。だが、こうした「弱さ」「傷つきやすさ」こそがシェアウェアのダイナミズムの源なのではないか。ボランティアを研究する金子郁容は、この弱さを「バルネラビリティ」vulnerabilityと呼び、自らを「バルネラブル」にすることが次の「つながり」を生むのだと説いている。バルネラブルである事は、弱さ、攻撃されやすさ、傷つきやすさであるとともに、相手から力をもらうための<窓>を開ける秘密の鍵であるというのだ。

この先の十年は、己の弱さと戦わないと…と思ってたけど、さらけ出す強さという弱さが、いや、強さなのか。上下のバーじゃなくて、XYのZ方面に異様に伸びて、前方に広がっているダイナミズム。それは私だけではない、全ての人の可能性だ。

窓を開けると、遠くにあるvulnerabilityという文字が、ぼやけて(涙で、ではないです)valuableに見える。良い終わり方になりそうです。これで最後です。今まで本当に本当に、読んで下さって、ありがとう。

YOURS,

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